【たまゆら語り】2010年9月7日 初めて竹原を訪れる
2010年9月7日。
僕は青春18きっぷを利用して、JRの普通列車乗り放題の1人旅をしていました。その旅の目的地のひとつが、広島県竹原市でした。僕はアニメが好きで、せっかく旅をするのなら、アニメの舞台となった土地を巡ってみたいと考えていました。
その頃、気になっていたオリジナル・ビデオ・アニメーション『たまゆら』の舞台が、広島県竹原市でした。OVA『たまゆら』は、この頃、まだ第1話(15分ほど)がイベント上映されたくらいで、作品の情報量としてはまだこれから、という頃でした。
僕はその先行上映イベント*1には参加できておらず、作品の公式サイトなどで公開されていたPVを見ていたくらいでした。
今思えば、まだ本格的に作品が始まっていないタイミングで、まだ作品に対する思い入れもない中、自分が竹原を目指したことが不思議です。おそらくその頃の自分にとっては、旅をすること、アニメの舞台を巡ってみること、その経験自体を得たい気持ちがぼんやりとあっただけなのかもしれません*2。
三原駅から呉線に乗り、日が沈む頃、初めて竹原駅に降り立ちました。
竹原駅に着いたはいいものの、どこへ向かえばいいものか。
目的地としては、当時公開されていた『たまゆら』メインビジュアルの場所、『たまゆら』公式ページの写真コーナー「たまゆらいふ」にアップされていた場所、PVに登場していた場所くらいのものでした。
あたりも暗くなってきていたので、本格的に歩き回るのは翌日にしようと考えました。とりあえず、駅から町並み保存地区の方まで歩いてみることにしました。
初めて訪れた竹原は、雨上がりでした。しんとした町並み保存地区の石畳に、染み込むような街灯の筋が伸びていました。
しばらく夜の竹原を歩いた後、竹原駅へ戻りました。僕は宿を決めずに、行き当たりばったりで旅をしていたので、その夜の宿も決まっていませんでした。さすがに飛び込みで竹原の宿に泊まろうという考えもなく、竹原駅の駅員さんに、どこかカラオケボックスやネットカフェのようなものはないかと尋ねると、三原駅まで行かないと難しそうだと教えてくれました。